用語集

油焼入れ(あぶらやきいれ)

冷却に油を用いて行う焼入れ。

α鉄(あるふぁてつ)

911℃よりも低い温度での純鉄の安定な状態。
備考:①その結晶構造は、体心立方である。②768℃(キュリー点)よりも低い温度では強磁性である。③768℃〜910℃までの温度範囲では常磁性である。

アルミナイジング

表面にアルミニウムを富化させる目的で、鉄鋼製品に適用される熱化学処理。
備考:鉄鋼の耐熱性及び耐食性を向上させる。フェロアルミニウムなどの粉末による方法をカロライジング(calorizing)ともいう。

安定化熱処理(あんていかねつしょり)

間経過による寸法、又は組織の変化を防ぐことを意図した鉄鋼製品の熱処理。

安定化焼なまし(あんていかやきなまし)

化合物、例えば、安定化オーステナイト系ステンレス鋼における炭化物の析出又は球状化をする目的で、850℃近辺で行う焼なまし。

イオン衝撃熱処理(いおんしょうげきねつしょり)

減圧雰囲気中で陰極とした処理物と陽極との間に起こるグロー放電を利用した表面処理。

一次焼入れ(いちじやきいれ)

浸炭した鋼の心(core)部の組織を微細化する目的で、心(core)部のAc3点以上の適切な温度に加熱して行う焼入れ。

ウイドマンステッテン

母相固溶体の特定の結晶面に沿う新しい相の形成によってもたらされる組織。
備考:亜共析鋼の場合、顕微鏡観察断面において、それはパーライトを背景とした針状フェライト組織として現れる場合が多い。過共析鋼の場合には、針状組織はセメンタイトからなる。

鋭敏化(えいびんか)

粒界への炭化物の析出による、粒界腐食に対するステンレス鋼の感受性の増加。
備考:粒界腐食に対する抵抗を研究するために、鋭敏化処理が用いられる(ISO3651-2参照)。

炎焼入れ(えんやきいれ)

熱源が炎である表面硬化処理。
備考:主に鉄鋼の任意の表面を焼入れする場合に用いる。

塩浴熱処理(えんよくねつしょり)

塩浴中で行う熱処理。

塩浴焼入れ(えんよくやきいれ)

溶融塩を用いる熱浴焼入れ。

エンリッチガス

浸炭性雰囲気のカーボンポテンシャルを増加させるために添加する炭化水素などのガス。

オイルテンパ処理(おいるてんぱしょり)

鋼線を連続的に真っすぐな状態で、油など冷媒で焼入れ後、焼戻しを行う処理。

応力除去焼なまし(おうりょくじょきょやきなまし)

本質的に組織を変えることなく、内部応力を減らすために、適切な温度へ加熱又は均熱した後、適切な速度で冷却する熱処理。

オースエージ

過冷オーステナイトをMs点以上の温度で時効する処理。
備考:例えば、ある種の析出硬化系ステンレス鋼(SUS631など)に対し、Ms点の調整などの目的で行う。

オーステナイト

1種以上の元素を含むγ鉄固溶体。

オーステナイト化

通常の変態温度や時間とは異なる条件で生じる金属組織の変化。予期せぬ組織が生成されることがある。

オーステナイト化温度(おーすてないとかおんど)

鉄鋼製品がオーステナイト化時に保持される最高の温度。

オーステナイトの安定化(おーすてないとのあんていか)

固溶原子の分配などによってオーステナイトが安定化されて、マルテンサイトへの変態が起こりにくくなる現象。
備考:このような安定化は焼入れ後の残留オーステナイトの低温焼戻し又は常温での保持などで起こり、常温以下への冷却で残留オーステナイトのマルテンサイトへの変態を抑制又は阻止する。

オーステンパ

オーステナイト化後、フェライトやパーライトの形成を避けるように十分に早くMs点より高い温度に冷却する階段焼入れを行い、オーステナイトのベイナイトへの変態が部分的又は完全に起こるように均熱する熱処理。

置割れ(おきわれ)

焼入れ又は焼入焼戻しした鉄鋼が放置中に生じる割れ。自然割れともいう。